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米国(アメリカ)政府は脂質系におけるCrodaの能力拡大を支援

2022年6月28日:スマートサイエンスを駆使し、生活を向上させる高機能原料と技術を提供するCroda International Plc(以下「Croda」又は「当社」)は、米国政府と協力協定を締結し、mRNAワクチンなど新規治療薬に使用する脂質系の原料を米国工場で製造する能力を拡大するために、米国政府から最大7,500万ドルの提供を受けたことを発表します。

「生物製剤のデリバリー技術強化」という当社の戦略に沿って、Crodaはさらに5,800万ドルを投資し、このプロジェクトへの投資額は合わせて最大1億3,300万ドルとなります。この出資は、2021年の決算報告で概略が述べられた当社の現行の設備投資プログラムに含まれています。

この投資は、ペンシルベニア州Lamarに、新しい多目的cGMP*施設の一部として脂質用の施設を新設するのに使われます。年内の着工を見込んでおり、新施設は2025年に完成する予定です。今回の投資は、米国アラバマ州アラバスター(Avanti)と英国リークにある既存施設に加えて3箇所目となる脂質系製造施設を建設することで、Crodaの提供する患者向け医療ソリューションのポートフォリオ拡大をサポートするものです。

この協力協定は、米国保健福祉省内にある事前準備・対応担当次官補局の一部門である米国生物医学先端研究開発局(BARDA)と、Army Contracting Command’s Joint COVID Response Division(ACC JCRD)と連携する米国国防総省の化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)による共同出資です。新施設はワクチンと治療薬の重要な製造活動をサポートする米国の産業基盤拡充に向けたプログラムの一環となります。Lamarの施設は、ワクチン製造に必要な成分を米国で生産できる十分な能力をもたらすことで、今後の公衆衛生上の緊急事態に対する米国の備えをサポートするでしょう。

Croda Pharma事業は、バイオ医薬品のデリバリーシステムの開発におけるリーディングパートナーです。Crodaのプラットフォームは、次世代のワクチンや治療薬を可能にします。2020年のAvanti Polar Lipidsの買収により、CrodaはCOVID-19ワクチンの世界展開をサポートする重要な脂質システムの臨床用および商業用原料を供給する最初の企業となりました。

インフルエンザワクチンやがん治療などmRNAベースの新規治療薬を含め、幅広い核酸医薬品に適用されるデリバリーシステムとして、脂質系は大きな可能性をもたらしています。現在の臨床開発パイプラインの規模を考えると、脂質系の市場は今後10年間で大きく成長することが見込まれます。

Crodaのライフサイエンス部門を統括しているDaniele Piergentiliは次のようにコメントしています。「Crodaに対するご支援に対し、米国政府に感謝申し上げます。次世代のワクチンや治療薬を安全かつ効率的にデリバリーする上で、脂質系を基盤とするデリバリー技術は大きな可能性をもたらすものです。この投資を受けて、Crodaはこの重要な技術をサポートする原料の開発・製造能力を拡大することができます。米国が今後の公衆衛生上の緊急事態に十分備え、また、今日世界で特に患者数の多い疾患の一部に対して、先進治療を提供する態勢を整える一助となるでしょう。」

化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)代理のNicole Kilgore氏は、「米国政府は、mRNAワクチンの原料生産を拡大する、この産業基盤拡充の取り組みに参加できることを嬉しく思います」と述べています。